これまでと同様、Abletonの特集記事では音楽制作を手助け、豊かなものにするためのアーティスティックな視点/サウンド/テクニック/クリエイティブな方策を幅広く紹介してきた。そこで、2019年に紹介した記事やアーティスト特集、チュートリアル、ムービーをいくつかふりかえってみよう。
インスピレーションの源泉:2019年の人気特集記事8選
多くの人にとって、良いループは曲作りの起点になる。 とはいえ、ループに構造やメリハリを付けたり、ループをパフォーマンスにしたりするには、どうすればいいのかわからない人も多いのではないだろうか? 2019年初頭、AbletonはBinkbeatsを特集したドキュメンタリーを公開した。Binkbeatsのアプローチ全体は、ループを主体にした作曲にまつわる上記のような疑問を解決することで発展してきた。 ムービーをチェックして、ループテクニックに対するBinkbeats独自のアプローチを学ぶとともに、その驚くべきセットアップの解説や、そうしたアプローチとセットアップが一体となったパフォーマンスの模様を確認しよう。
Magenta Studio:Ableton Liveのための無料AIツール
2019年は、AIと機械学習が音楽制作にもたらす影響についての議論が最高潮に達した一年であったように思える。その議論の大半は、未来にたいするディストピア的視点と ユートピア的視点の対立に終始していた。 ところが、未来がやってくるのをただ黙って待っている必要はない。実は、Ableton Live内で機械学習の実験ができるツールがすでに存在しているのだ。 Magentaは、機械学習というやや難解な研究分野にわかりやすい形で入門できるようにしてくれる。 音楽的パターン用の機械学習モデルを利用しやすくすることで、リズムやメロディーの生成と変更を可能にしているのだ。
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CV Tools:Liveでモジュラーシンセの操作が可能に
モジュラーシンセの復権は2019年も衰える兆しを見せなかった。 電圧制御ハードウェアとAbletonソフトウェアのふたつの世界を橋渡しするというアイデアのもと、Abletonは互換性のあるDCカップリング対応のオーディオインターフェースでモジュラーシンセなどのCV対応機材とLive 10を接続して連動させる一連のデバイスを収録したCV Toolsをリリースした。 また、CV対応機材を使用していない場合でも、Live内はもちろん、ハードウェアのセットアップでもモジュラースタイルの操作をMIDIで行えるデバイスがCV Toolsには収録されている。
Ableton Live Suite 10.1またはLive 10.1 Standard + Max for Liveが必要です
Sakura Tsurutaが魅せるPushパフォーマンス
2019年にPushを使ったパフォーマンスで特に印象的だったのは、東京を拠点とするプロデューサー/DJのSakura Tsurutaによる演奏をワンテイクでとらえたビデオだろう。このビデオの中で、彼女はライブでのレコーディングや構成、ミックス、即興などをいとも軽々とこなしてみせている。 同時公開されたパフォーマンス解説ビデオでは、彼女がそのセットアップの全貌を明かしつつ、効率化されたPushパフォーマンスにおいて準備がいかに重要であるかを示してみせている。
Liveでユニークな音を作る10種類の方法
自分だけのユニークなサウンドを見つけようとするとき、多くの人はそのツールをまだ完全には使いこなせてうちに新しい機材をかき集めて実現しようと考えがちだ。 そこで紹介したいのが、プロデューサー/指導者のAnthony ThogmartinことSeed to StageがLiveの内蔵オーディオエフェクトだけを使用してさまざまなユニークなサウンドを生み出す方法を解説したチュートリアルビデオだ。
Abid Hussainが語る「サンプリングと著作権」
2018年に開催したサミット「Loop」でプレゼンテーションを行なったAbletonコミュニティの一員が、経験豊富なプロデューサー/Ableton認定トレーナーであり、弁護士資格を有するAbid Hussainだった。 さまざまな著作権侵害訴訟に関わってきた彼は、今後のサンプルとサンプリングの使用方法に大きな影響を与えうる最近の判決について概説している。
Anna Meredith:音楽のかたち
2019年に公開された2作目のアーティストドキュメンタリーでは、作曲家Anna Meredithが受賞歴を誇るクラシック音楽の作曲家からジャンル区分不可能なバンドを率いて世界中をツアーするにいたるまでの道のりを語ってくれた。 このビデオでは彼女の最新アルバム『FIBS』の制作にあたってのスタジオ作業を解説しているほか、収録曲それぞれの視覚的な概観を生みだす非常に有用な手法を語ってくれている。
Live 10.1が正式リリース
2019年、Ableton Live 10.1が正式リリースされ、クリエイティブな制作プロセスをサポートする新たなツールやワークフローが導入された。 すべての新機能を最大限に活用するために(または基本をおさらいするために)、Abletonではチュートリアルビデオ「Liveを学ぶ」シリーズのアップデートならびに拡張も実施した。